JEWEL TRAY STYLE

2021.04.30

グットタイムパティスリー②

  • Chef
  • Sweets Shop
  • Yukiko Matsumoto

①.JPEG

スイーツコーディネーターの松本由紀子です。

【前投稿からのつづき】
2009年に渡仏した渡辺シェフ👨‍🍳
まずストラスブールで語学学校に通いながら、街中の全てのお菓子屋さんで食べてみて「Naegel(ネゲル)」が一番おいしかったので、働かせてほしいとお願いにいったところ…
労働ビザを持っていなかったため、ピエールシェフまで話がいく手前で、3度も断られてしまったのだそう💧

②.JPG

そこで、いつの日か絶対ネゲルで働きたい!とう想いは抱きながらも、ストラスブールから車で約30分の小さな村HOCHFELDEN(オッシュフェルデン)にある「Marc Laugel(マーク・ロジェル)」で働くことに🇫🇷

現オーナーのソフィ・ロジェルさんのお父さまが開かれたブーランジェリー・パティスリーで、この村にはこのお店しかなく繁盛店だったのだそう🥐

こちらで5年半働いている間に、ビザの申請がおりるのを待っていた渡辺シェフ👨‍🍳
でも当時は、パティシエという職業はフランス人のものだという意識があり、日本人にはなかなかビザがおりなかったのだとか。

その間にお父さまが脳梗塞で倒れ、ミュロップ、パスカルカフェなどで修業を積んでいた娘のソフィが帰ってきたのですが…
お父様が亡くなられたため、渡辺シェフがいないとお店がまわらないと訴えたことで、とうとうビザがおりることに。

ソフィが帰ってきてからも、渡辺シェフは3年ほどロジェルに残り、4人だったスタッフが20人になるほど大きなお店に成長したのだそう🧁

③.JPG

ちなみにソフィは、2010年クグロフコンクール優勝したこともあり、クグロフがお店の看板商品だったのですが…
このお話をおうかがいしたとき、ソフィ、アルザス、クグロフ…ん?どこかで聞いた覚えがと思っていたら…
大阪の某百貨店のフランスフェアに、ソフィは来日したことがあり、なんと私もお目にかかっていたんです👩‍🍳
そのフェアの時、シェフはすでにネゲルで働かれていたのですが…

④.JPG

念願かなって、2014年からネゲルで働けることになった渡辺シェフ。
ネゲルで長く働かれている日本人のパティシエールさんがいらして、ピエールシェフに直にお願いしてくださったのだそう👩‍🍳
その方はシェフからの信頼が厚く、今もなお10年以上ネゲルにいらっしゃるのだとか。
次回アルザスに行くときには、ぜひ訪ねてみたいなぁ💗

ネゲルでは、まずキュイジニエからスタート。
渡辺シェフはトレトゥールに一番携わりたかったそうで、パティスリー、ショコラ、キュイジーヌ、パンとグラス以外ひと通り経験されたのですが、レベルが高く人も素晴らしく、何一つ欠点のないお店だったとのこと✨

⑤.JPEG

ただクグロフだけは、ピエールシェフがお一人で、朝3時半から仕込まれるそうで。
他のスタッフもレシピは知ってるけれども、仕込むのはピエールさんのみ。
フランスでは、実はパトロンが一番働くのだそう🇫🇷

やはりネゲルは最高に素晴らしかったです❣️と当時の思い出を、とめどなく本当に楽しそうに話される渡辺シェフ。
私もネゲルのお菓子が大好きなので、情景が目に浮かぶようで嬉しくてたまりませんでした💗

⑥.JPG

⑦.JPG

⑧.JPG

⑨.JPG

⑩.JPG

ストラスブール中の店を自分で食べてみて、やはりネゲルが一番おいしいと思い、自分で何度も交渉して入った店だから思い入れがあります。パート・シュクレやダマンドなどパートひとつとってもおいしく、他のパーツと合わさってさらにおいしくなる。どのお菓子も完成度が高いんです。いい材料を使って、いいものを作る。シンプルだからこそ材料の良さがものをいうですよね。日本人は綺麗に仕上げたがりますが、ピエールさんはいかにおいしそうに見えるかを一番大事にしていました。仕上げは誰が何を担当してもよくて、担当者によって毎日自己流で変わるんです。売れなかったら怒られるけど、お客さんも仕上げが変わっても何も言わないですよ、フランスでは」と。

⑪.JPG

⑫.JPG

⑬.JPG

⑭.JPG

⑮.JPG

⑯.JPG

⑰.JPG

ネゲルでもう少し働きたいという思いがありながら、後ろ髪をひかれつつも2年半で帰国🇯🇵
当時アングランの金井シェフのご紹介で、「ヨックモック青山本店」の商品開発シェフとして2017年から3年間勤務。
さらにオープン直前の8月中旬までの3か月ほど、メツゲライクスダさんでシャルキュトリーやトレトゥールの勉強をされていたのだそう🍴

どの時代にも、会える機会はあったのに出会えていない…どこまでもニアミスな私たちでした(笑)

⑱.JPEG

店名が英語なのは、「帰国後すぐはフランス語のかっこいい名前にしようと思っていたんですが…ヨックモックで働いている間に、フランス菓子屋は今では日本に沢山あるし、何菓子でもおいしかったらいいんじゃないかと思うようになり、力の抜けたカジュアルな感じでやろうと思い、この店名にしたんです」とのこと👨‍🍳

ロゴは、マダムの幼馴染の旦那さまがデザイナーさんで、手描きで描いてもらったのだそう。
シンプルだけど温もりがあって、とってもいい雰囲気ですよね💗

⑲.JPG

最後に、なぜ焼き菓子専門店に?とおうかがいすると、まさかの答えが!?
「生菓子も、パテとかトレトゥールとかのサレ系もやりたいんです。せっかくネゲルでひと通り経験したので、みんながやっていないものをやりたい!でも冷蔵ショーケースを入れるスペースがなくて…」とのこと。

えーーーっ…たしかに今の店舗ではスペースがないけど💧
本当はやりたい気持ちがあるのであれば、移転とか、別店舗とか、今後の展開を楽しみに待ちましょう💓

⑳.JPG

とりあえず、オープン後初めての今年の夏は、冷たいテイクアウトスイーツが登場予定です🍨
樋之池公園が目の前なので、こちらも人気がでそうですね。
私は夏でも公園で焼き菓子、全然平気ですが(笑)

  • サンプルの ご請求はこちら
  • デジタルカタログ デジタルカタログ

カレンダー

<

2021年4月

>
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

月別アーカイブ

Float Button
PAGE TOP