JEWEL TRAY STYLE
2020.11.02
日本一暗い茶屋と銘打つ「bys tea(バイスティー)」
スイーツコーディネーターの松本由紀子です。
「日本一暗い茶屋」と銘打つ「bys tea(バイスティー)」が10月2日、大阪・南船場にオープンしました🍵
お茶の常識を変え、新しいお茶の価値観を創造し、日本で日本茶を文化として再興させたいという想いからこのカフェを立ち上げたのは、日本茶販売事業など複数の事業を展開する株式会社シェンゲンの澤田修司さん。
内装は千利休の茶室をヒントに、利休が愛した黒を基調とし、当時の茶室の風景を現代的に表現。
ゆっくりとした時間を過ごしてほしいと客席はたった4席のみ。
テーブルも椅子も、棚も、床の玉砂利まで黒一色で統一されています❤︎
この黒の世界の中でひときわ存在感をはなっているのが、中央に鎮座する分厚いガラスのカウンター。
国内に3つしかないという希少なガラスで非常に透明度が高く、中には気泡がキラキラと星屑のように煌き、ずっと見ていても飽きることのない荘厳な美しさです✨
先日の発表会では、4杯のお茶とそれに合わせた糧菓をいただきました🍵
暗黒の世界で、五感を研ぎ澄まし、音や香り、口中に広がる旨みに集中する非日常な時間…。
でも不思議とほっこりする、稀少な体験でした。
お茶を淹れてくださったのはHokuzan代表、全国茶審査技術7段 山北祐士さん。
今後の日本茶会を担う若手茶師のホープです✨
まず冷たいウェルカムティーとして、オリジナルの京都産『黒茶』を🍂
こちらはほうじ茶を深煎りして炭化させたお茶で、スモーキーで深い香りが広がります。
まるで深煎りコーヒーのような焙煎香をたたえながら、後口は透明感がありすっきり。
朝から夜中まで珈琲を飲み続ける私ですが、深夜はこちらでほっこりしたいなぁ。
1杯目は福岡産の『玉露』を🍃
今回の茶葉は、八女茶のなかでも最高級品を使用。
加工の際に火を使うことで、独特な香りがたつのが最大の特徴です。
温度を見極めながら、1杯ずつ丁寧に淹れてくださいました🍵
最初にお湯を茶器に入れ、玉露に適した50℃前後になるまでゆっくりと冷ましていきます。
お湯が適温になったら茶葉に注ぎ入れ、茶葉が開ききるまで1~2分待ちます。
茶葉がゆっくりと開いてくる様子を見つめるなんとも愛おしい時間💓
これをまた最後の1滴まで余すことなく、別の茶器に移し、それぞれの湯呑に注いでいきます🍵
口に含むとグッとくる香味のあと、スーッと引いていき、余韻にしっかりと旨みとコクが残ります。
まるでお出汁のように、まろやかでふくよかなややクセのある旨み。
これはアミノ酸の旨味なのだそう。
この玉露には、京都・御菓子丸の「ほころび」という銘のお菓子を合わせて🥢
ピーナッツを砕いて合わせ和三盆をまぶしたお菓子で、口に入れた瞬間にほろりとほどけるさまから名付けられたのだそう
ナッツの香ばしい香味が、玉露の旨みと絡みあう初体験のおいしさでした💗
2杯目は、鹿児島産の『煎茶』を🍃
鹿児島は様々な茶種や品種が揃い、静岡に次ぐ日本茶の生産量を誇るのだそう。
少し強めの焙煎香とまろやかな旨みのなかに、ほのかに感じるシャープな渋さがアクセントになっています。
このスッキリとした煎茶にはしっかりとした辛みのショウガのドライフルーツを合わせて⚡️
普段使いできそうなバランスのよい組み合わせです。
3杯目は再び玉露が登場🍃こちらは京都産です。
1杯目と異なり火を入れないのでさらに旨味が強く、玉露特有の海苔のような香りと、お出汁のようなまろやかな旨みが特徴。
寒天を使った「鉱物の実」という銘のお菓子と合わせて。
季節の果実を閉じ込めて結晶化させた、いわゆる琥珀糖。
多面体にクロモジを刺した姿は、まるで化石化した果実のようです。
味わいもシャリ感もやさしく、玉露の旨みを引き立てていました🍵
最後4杯目は、ウェルカムティーで登場した『炭ほうじ茶』をホットで🍂
湯呑のふちに粗塩をつけ、まるでソルティドッグのように供されます。
お茶×塩?!飲み物と食べ物として別々に合わせることはありますが、果たして一体化すると…
意外にもなんの違和感もなく、すんなりと受け入れられる新感覚のおいしさでした💞
旨みが増し、後口はスッキリと切れる感じ。
bys teaでは、高品質な茶葉を独自のルートで仕入れ、一般的な茶葉の50~200倍の値で取引されている「出品茶」を使った贅沢な飲み比べセット(6000円)や、ほうじ茶を深煎りし炭化させたオリジナルの「黒茶」などを提供🍵
一方、マイボトル持参すればお茶1リットルを100円で提供してくれるという、無添加で健康的なお茶を身近に感じさせてくれるサービスもあります。
「当店でお茶をゆっくり楽しむことで、お茶に親しむ機会が増えてくれればうれしい。文化として繁栄した高品質なお茶の世界がある一方で、ペットボトルやティーバックなどを通じて、お茶は日常的な飲み物として再認識され始めています。これを単なるブームとして終わらせるのではなく、一般の方にももっとお茶の世界の愉しみを知ってもらいたい!(澤田さん談)」とのこと🍵
ぜひ、ゆったりとお茶を嗜みに💗
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【bys tea】
場所:大阪市中央区南船場4-7-22 船場NSビル1F
営業時間:8:00~17:00
定休日:日曜日